お金を銀行に預けていても、利息がほとんどつかない現状では、繰り上げ返済や増額による期間短縮などで、住宅ローンを早めに減らしておこうと考えられるのは、たいへんいいことだと思います。その方法として、繰り上げ返済するのがいいのか、毎月返済額を増額して期間を短縮するほうがいいのかということですが、さまざまな点から、増額して期間を短縮するほうがいいように思います。
まず、繰り上げ返済に関してですが、現在貯蓄が440万円ほどあるということですから、そのうち
200万円を期間短縮型で繰り上げ返済すると、44回の短縮で、本来支払わなければならない利息を132万円もカットできます。金利が高い時期だと200万円の繰り上げ返済なら、200万円、300万円とトクすることもあるのですが、年利1.575%と金利が低い分だけ、効果も小さくなります。それでもトクすることは間違いありません。
問題は現在の貯蓄440万円を取り崩すことがどうかという点です。失業やリストラによる収入減少などの不安の強い現状では、万一収入が途絶えたときにも1年程度は生活できるだけの蓄えは残しておきたいものです。その点からすると、
貯蓄を取り崩すよりは、増額によって返済期間を短縮するほうが安心という気がします。それにいずれは二人目のお子さまを考えてらっしゃるのであれば、手元にある程度のお金を残しておいたほうが安心できるでしょう。
そこで、残り
返済期間を10年間短縮するケースを試算すると、毎月の返済額は10万円弱に増加します。それでも、返済負担率は約24%ですから、現在の生活にはさほど影響のない範囲でしょう。その結果、残りの
24年間の総返済額は約2868万円になります。
200万円を繰り上げ返済した場合の残りの総返済額は約2752万円で、それに繰り上げする200万円を加えると
約2952万円になります。トクする金額の面からみても、増額による期間短縮のほうが有利になります。
もちろん、繰り上げ返済と合わせて増額による期間短縮を同時に実行する方法もあります。そうすれば、さらにトクする金額は増えるわけですが、あまり無理するのはどうでしょうか。まずは増額による期間短縮で返済額の増額が生活にどう影響するかを見極めて、それでも大丈夫というメドがたったところで繰り上げ返済する、さらに増額で期間短縮するといった手を考えていけばいいのではないでしょうか。
(1) 現在の返済状況
借入額 |
2,440万 円 |
金利 |
1.575 % |
期間・方法 |
35年返済・元利均等
ボーナス返済なし |
毎月返済額 |
75,608 円 |
1年後の残高 |
2,387万 3,204 円 |
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(2) 期間短縮で約200万円の繰り上げ返済
期間短縮効果 |
44回(約3年半) |
トクする利息 |
約132万 円 |
残りの総返済額 |
約 2,752万 円 |
繰り上げ返済との合計 |
約 2,952万 円 |
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(3) 返済期間を10年間短縮して毎月約10万円に増額
毎月返済額 |
99,598 円 |
残りの総返済額 |
約 2,868万 円 |
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