商品ファンドや金銭信託に続いて、投資信託でも「元本確保型」の商品が売り出されるようになりました。「元本確保型」投資信託のパンフレットの多くには「○○銀行が保証金融機関となり、償還時に元本の100%を確保します」といったような説明文が書かれています。保証金融機関の多くは、格付けの高い外資系の銀行なので、こうした説明文を読むとリスクのない商品のように勘違いしてしまいがちです。でも
「元本確保型」投資信託は元本保証商品とは仕組みが違うので注意が必要です。
上記の説明文にもあるように、元本確保型投信は
「償還時(=満期時)」に限って、最低限、元本を保証するという契約のもとで運用されています。ですから満期前に中途解約する場合には、元本割れする可能性があります。一方、「元本保証商品」の代表選手である定期預金は中途解約した場合、ペナルティの低い金利が適用になってしまいますが、元本割れすることはありません。
また元本保証をしている金融機関は「民間の金融機関」であって、国がバックについている公的機関(預金保険機構など)ではないということもしっかり認識する必要があります。格付けの高い金融機関といっても、商品の満期までつぶれないという保証はありません。万が一、その金融機関が破綻した場合は、元本保証契約は無効になってしまう可能性もあります。
「元本確保」という甘い響きには、つい気持ちが惑わされがちですが、冷静に商品リスクを見極めることが大切です。
ネット専用銀行や、テレフォンバンキング専用の預金なら、都市銀行の普通預金の10〜500倍もの金利がつく商品があります。ただしこうした銀行は近所に支店がない場合がほとんど。入出金の手数料で元本割れをおこさないよう、事前に使い勝手をしっかりチェックすることが大切。また利用する前に、銀行の格付けも確認することをおすすめします。
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元本確保型投信 |
元本保証商品(定期預金) |
利子等 |
分配金が支払われるタイプの商品であっても、運用成績次第で支払われない場合もある |
利子は全額を確実に受け取ることができる(元本が1000万円までの場合) |
中途換金する場合 |
元本割れする可能性あり |
ペナルティの低い金利が適用になるものの元本割れはしない |
満期時 |
外資系金融機関などが元本の100%を保証。ただしその金融機関が満期までの間に倒産した場合は元本保証契約が無効になり元本割れする可能性も |
元本+利子を確実に受け取ることができる |
元本保証の仕組み |
民間金融機関によって満期のみ元本が保証されている。ただし保証金融機関が倒産した場合の保護策はなし。 |
預金保険制度によって1人1金融機関につき、元本1000万円+利子は全額保証されている(預け入れから満期時までの全期間について)。預金保険制度は危機的な事態の場合でも国が資金援助などを行い、預金者は保護される。 |
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