公的保障と医療保険
病気やケガで入院したり、所定の手術を受けた場合に給付金が受け取れる単体の保険が「医療保険」です。医療保険を検討する際、特に悩むのが、給付日額をいくらにすべきかでしょう。これを考えるには、まず公的医療保険制度を押さえる必要があります。そもそも医療保障は、公的医療保険でまかなえない経済的リスクをカバーする形で加入すべきものだからです。
会社員なら健康保険、自由業・自営業なら国民健康保険に加入していますが、このおかげで健康保険なら入院・通院とも自己負担は3割で済みます。しかも、この保険のきく治療における自己負担額には「高額療養費制度」があります。これは、1カ月間(1日から末日まで)に同じ医療機関で同一の診療を受けた場合に、自己負担額の上限が設定されている制度。ある一定額を超えた場合には、請求すれば超えた分が払い戻してもらえる制度なのです。
この上限額は、所得で3段階に分かれています。住民税非課税者以外は限度額がアップして自己負担分が増えました(表1)。
このほか会社員であれば、健康保険に「傷病手当金」があり、病気やケガの療養のために仕事を4日以上休んで給与がもらえないとき、最長1年6カ月、給与の6割程度が支給されます。自由業・自営業にはこうした制度がないため、所得補償の意味合いで入院給付金を高めに設定すると安心でしょう。
(表1) 高額療養費制度
| 70歳未満 の方 |
給与所得者 月収 |
自営業年間 総所得 |
1ヵ月の自己負担月額上限(70歳未満) |
|---|---|---|---|
| 53万円未満 | 600万円以下 | 80,100円 +(医療費の総額 - 267,000円) X 1% (44,400円)※1 | |
| 53万円以上 | 600万円超 | 150,000円 + (医療費の総額 - 500,000円) X 1% (83,400円)※1 | |
| 住民税非課税の方※2 | 35,400円 (24,600円)※1 | ||
- ※1
- ( )内の金額は、多数該当(過去12ヶ月に3回以上の高額療養費の支給を受け4回目)の場合の額。
- ※2
- 住民税非課税の方とは、被保険者が市(区)町村税の非課税者、被保険者または被扶養者が自己負担限度額の低い高額療養費の支給があれば生活保護の被保護者とならない人です。
- (注)
- 金額は、1月あたりの限度額。
| 70歳以上 の方 |
外来 (個人ごと) |
1ヵ月の自己負担月額上限 (70歳以上) | ||
|---|---|---|---|---|
| 一定以上所得者(※2) | 44,400円 | 80,100円+(医療費の総額−267,000円)×1% 44,400円)※1 | ||
| 一般 | 12,000円 | 44,400円 | ||
| 住民税非課税の方 | I(※3) | 8,000円 | 15,000円 | |
| II(※4) | 24,600円 | |||
- ※1
- ( )内の金額は、多数該当(過去12ヶ月に3回以上の高額療養費の支給を受け4回目)の場合の額。
- ※2
- 一定以上所得者とは、標準報酬月額が28万円以上である70歳以上の被保険者及びその70歳以上の被扶養者です。単身世帯で年収383万円、夫婦世帯で520万円未満であるときは申請により、1割となります。
- ※3
- 被保険者およびその被扶養者のすべてについて、療養を受ける月の属する年度分の市(区)町村民税に係る総所得金額等の金額がない場合、または低所得Tの特例を受ければ生活保護の被保護者とならない場合。
- ※4
- 市(区)町村民税非課税者または低所得Uの適用を受けることにより、生活保護の被保護者とならない被保険者とその被扶養者。
- (注)
- 金額は、1月あたりの限度額。